理事長 挨拶
グローバル化が急速に進み、ビジネス環境はもとより社会構造さえ想像もつかない方向に進んでいく中、非連続に変化する環境に柔軟に対応し、国内外に発展し続ける組織に、自らを変革することは喫緊の経営課題だと思います。
我々は、そうしたこれまで経験したことのない、新たな時代の変革の指針は、「ダイバーシティー」すなわち「多様性」だと考えています。
「ダイバーシティー」という言葉は、今や新聞やTVで取り上げられない日はないほど頻繁に口にされるようになり、組織経営上対応不可避のテーマとなってきています。経営資源の中でも最も重要な人材の育成を考えるにあたり、ダイバーシティーをキーワードとする会社も少なくないことでしょう。
しかし、その大切な人材育成、ダイバーシティーの導入を、労力と時間の制約ゆえ、つい外部コンサルティング会社に丸投げしたり、いわゆるOff the shelfのトレーニングプログラムの機械的な繰り返しに終始したり、といったことは起きていませんか?
「ダイバーシティー」の本質は、人が人と、人が未来と、人が地域・社会と、人が自然・地球と「ツナガル」事です。単に女性管理職や外国人従業員の数を増やすことではなく、異なる性別や人種、文化はもちろん、環境や仕組み、一人一人が持つ多様な(=ダイバース)能力や経験を最大限に活用することです。
欧米では、組織内でこうした役割を担うCDO(Chief Diversity Officer)という役職が注目されており、CEO、COOに次ぐ位置付けとする企業も少なくありません。
一方日本では、これまで多様性よりも均質性が重視され、誰もが同じように考え、行動することが是とされてきました。しかし、これからのグローバル社会では、チームメンバーの多様性そのものを組織の価値とすることのできる「真の多様性を持つ組織」こそが、新たな時代を切り拓いていけるのです。
私たちは、メンバーの持つ様々な能力を引き出し、メンバー全員が自分で考え自ら行動するよう導き、チーム力を最大限に発揮させる「ダイバースリーダーシップ」をそなえ、「真の多様性を持つ組織」を率いる新たな時代のリーダー集団を育成することをミッションとして、ダイバースリーダーシップ推進協会(Diverse Leadership Association、略称:DLA)を設立しました。
DLAは、個々の組織に特有な文化やニーズに応じた適切な進め方でリーダー人材創出をサポートし、受講者が学習内容を日々の実務で活用してしっかりと身につけられる仕組みを提供いたします。
組織内に変革を起こし、根付かせるためには、組織内に少なくとも2割くらい、変革リーダーを配置する必要がある、と言われています。
我々は、あらゆる組織が、外部の手を借りずとも自組織内で継続的に人材育成していけるよう、社内/組織内リーダー・講師を育成するサポートも行ってまいります。
組織、地域、そして世界に向け、「真の多様性を持つ組織」を率いる新たな時代のリーダー集団の創出と環境整備に尽力していく所存ですので、お読み頂いた皆様に趣旨をご理解いただき、所属される企業、地域、組織の叡智を活かし合うことで、新たな時代を切り拓く活動をご一緒頂けたら幸いです。
理事長 金杉 康弘